きおくのかけら

オールドレンズ「Ai Nikkor 50mm f/1.2s」と一緒に記憶を旅するブログです

台所のガラス瓶で母を思い出す

 

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亡き母は果実酒を作るのが得意だった。
梅酒はもちろんのこと、杏や花梨、苺や檸檬、パイナップル、八朔などなど。
よほどお酒が好きなように思われるが、実はこれが全くお酒は飲めない人だった。
お正月の御神酒をお猪口一杯飲んだだけで真っ赤になり、立てなくなるほどお酒が苦手だった。
じゃあなんで果実酒を作るのかと言えば、友達や隣近所、親戚にあげて喜ぶ顔を見るのが好きなのであった。

あちこちにあげる果実酒を小分けするための容器として、家には大中小様々なガラス瓶がたくさんあった。どこから集めてきたのか分からないが、とにかく台所の棚には空の瓶がたくさん在ったのだ。

ある日その小分け作業をしているときに、小分けした何種類かの果実酒を入れたガラス瓶に西日が当たり、透けた色とりどりの影がテーブルに映し出され、それがとても綺麗だったのを今でも鮮明に覚えている。

ところで、亡き母はこの果実酒に限らず、様々なものを人にあげるのが好きだった。自分で作った野菜や頂き物など、我が家で要る分だけ残して後は惜しげも無く人にあげた。
「だって残して腐ったらもったいないでしょ。だったら人に喜んでもらった方が良いよ。」

そんな人に育てられたせいか、実は私も同じ性格なのだと最近知った。
実家の畑(30坪ぐらいの家庭菜園的な畑)で野菜を作るようになり、はじめは自宅で食べる分だけだったが、収穫物をお裾分けして喜ばれるのが楽しくていっぱい作るようになったのだ。


誰の歌かは忘れてしまったが、母親を歌うその歌のワンフレーズが今も心に残っている。

♪『 道を外さずに ここに立てているのは あなたと同じ血が流れていたから・・・ 』



果実酒、作ってみようかな? 最近思っている。




 

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庄内柿はたくさん採れるのでいつも干し柿にします。
子供の頃に母に手伝わされたおかげで、毎年美味しい干し柿が出来上がります。

上の写真、フレア・ゴーストが盛大に出ていますが、
霞と虹が架かったように、遠いあの頃を思い出しているようで気に入ってます。



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これは庄内地方では「からどり」と言われるもので、里芋やズイキ芋の茎を干したものです。
お雑煮や納豆汁にきざんで入れて食べます。美味しく栄養満点なんですよ。
これも母に強制的に手伝わされて干し方を習いましたね。
茎の皮を一つ一つ剥かなければならないのですが、
剥き終わった後は指先に茎の汁が染みついて真っ黒けになります。



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北国庄内では冬の準備に追われる頃です。




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